2013/12/05

13兆円規模の中国モバイル決済

今年は中国モバイル決済市場が最も成長している年とも言える。各プレイヤーの事業拡大とシェア拡大戦略とともに、最近市場が戦場化しつつある。テンセントとアリババの戦いが始まった一方、金融機関の中国平安銀行がモバイル決済戦争に参加、来年1月に自分の電子ウオレットサービスを開始すると計画している。

12月3日に、テンセントのWeChatはアリババのアリペイと正真正銘勝負すると宣言したと同時に、アリババがWeChatの拡大推進を阻害した事に対して非難をした。これに対してアリババは、テンセントが自分のメディア部門を経由して、アリババに対する否定的な情報を大量に流していると主張した。

実際、両社の戦いが水面下で続いていた。表では、アリババの馬氏とテンセントの馬氏が保険事業における業務資本提携を行っているが、アリペイのモバイルアプリはWeChatを遮断し、テンセントのアプリストアのおすすめリストからアリペイを削除した。アリペイとWeChatとの戦いの中、伝統的な金融機関からのプレイヤーも参戦する。中国平安の会長馬氏は、来年1月にモバイル決済製品「電子ウオレット」がサービスインすると社内で宣言した。中国平安の「電子ウオレット」は、モバイル端末APPを使って通信、投資、貯金業務および他の金融機能を統合したものである。個人の財務管理を引き継ぐ金融サービスの強みを最大限に活用して伝統的な保険、投資、ショッピング等の一連の動作を実現することで現金やクレジットカードになり代わる存在にしたい(馬氏)。

『中国インターネット決済セキュリティ白書』によると、今後3-5年内にインターネット取引の成長が少なくとも6倍まで増加、20兆元(330兆円)に達すると期待されている。その中、モバイル決済は爆発的な成長を示しており、2013年通年の市場規模は8000億元(13兆円)を上回り、昨年の5倍以上になると予想される。三人の馬氏はともに、モバイル決済に注目している。今年11月現在、アリペイのモバイル決済はユーザー数が1億人以上になり、アリペイウオレットを使っているユーザー数も1億に接近した。携帯電話による決済は全体の1/3程度であり、昨年より800%の増加となった。その中でも、ダブルシングルデー(11月11日)当日のモバイル決済は件数が4518万件、金額が113億元(1900億円)に達した。その後、アリババグループの国内中小企業金融サービス事業グループの社長は、アリペイウオレットを独立ブランドとして推進し、オフライン市場のニーズを拾うことにすると宣言した。

また近日、アリペイは銀行と提携して初めてクレジットカードのオンライン決済ポイントシステムを構築した。江蘇銀行、杭州銀行、上海農村商業銀行、寧波銀行、広東発展銀行、北京銀行、平安銀行の7銀行は、エクスプレス決済によるオンラインショッピングのアリペイポイント付与システムの早期導入を検討している。

インターネットとモバイル決済の発展につれ、モバイルインターネットと日常生活の境界は消えつつあり、アリペイウオレットやWeChatのモバイル決済がオフライン市場の発展を加速させている。モバイル決済市場をより広く拡大するために、アリペイは銀泰デパートと提携して「対面支払」を展開している。これからより多くの大規模加盟店、スーパーマーケット、セブンイレブン等のコンビニに導入するだろう。テンセントのテンペイは大型ディスカウントショップと戦略提携を結んだ。それにより、消費者は商品を選んだ後、WeChatの2次元コードをスキャンし、レジに並ばなくても決済できる様になった。

モバイル決済の付加価値サービスとして最も重要視されている投資商品購買機能において、大きな成功を収めたアリペイの「余額宝」の後、モバイルユーザー向けの新規金融商品がどんどん開発されている。WeChatの金融サービスプラットフォームも今年12月中旬に正式に発売される予定だ。WeChatが華夏ファンド、Eファンド、GF基金とユニバーサル基金の4ファンド会社と協力、WeChat版の「余額宝」を発売するだろう。

注)
Alipay:アリペイ
WeChat:ウイチャット
Weibo:ウェイボー
Tenpay:テンペイ
Alibaba:アリババ
Tencent:テンセント
出処:経済参考報