2014/04/22

百度、モバイル決済アプリの提供を開始

中国インターネット検索大手の百度(Baidu)は、モバイル決済と投資サービス機能を備えたアプリ「百度銭包」の提供を開始した。同様のアプリは国内の主要ライバル企業が既に手掛けている。アリババ・グループ・ホールディングは昨年1月、傘下の支付宝(アリペイ)を通じ、モバイル決済サービス「支付宝銭包」の提供を開始。騰訊控股(テンセント・ホールディングス)も同8月、人気のチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」に関連した決済・投資プラットフォーム「ウィーチャット・ペイメント」の提供を始めた。

その背景には、中国のIT事業者らがインターネットで販売する高利回りの金融商品が急拡大している。普通預金より条件が良いためだが、こうした「ネット金融」が増えすぎると銀行の収益を圧迫しかねないとして、金融当局は規制の検討を始めた。銀行も圧力をかけており、一段の拡大は見通せない。

アリババの利用者は通信販売の決済用口座から余額宝のサイトに資金を移すだけで運用できる。利回りは年5%程度と、規制で3%程度に抑えられている普通預金より高い。1元から投資でき、いつでも引き出せる利便性が受け、総資産は8カ月で5000億元(約8兆2500億円)に拡大。投資者数は8100万人と、上海株式市場の口座数(約6700万口座)を超えたとの報道もある。

なぜ高利回りの運用ができるのか。実は、アリババは投資家から集めた資金を、投資ファンドを介して銀行の大口預金で運用している。大口預金は主に機関投資家向けで、利回りは普通預金の倍の年6%程度。いつ引き出しても構わない。アリババが年利5%で集めた資金を6%の大口預金で運用すれば、その差額が利益になり、一般投資家も利息収入を稼げる。チャットサービスを運営する「騰訊(テンセント)」や、ネット検索最大手「百度(バイドゥ)」なども参入し、高金利を掲げて順調に顧客を増やしている模様だ。

一方、銀行にとっては、「ネット金融」を通じて個人客に高金利をサービスしている形になり、収益の押し下げ要因になる。大口預金は企業に長期資金を貸し出す原資だが、ネット金融事業者の信用不安などで一度に巨額の解約が発生すれば、銀行の資金繰りにも影響を及ぼしかねない。

このため中国人民銀行(中央銀行)は24日、規制に乗り出す方針を表明。中国メディアによると、中国銀行業協会はネット金融の大口預金受け入れ中止を検討している。4大国有銀も今月下旬、ネット金融の投資口座への1回当たり振り込み限度額を引き下げた。

これに対しネット金融側は「勝敗を決めるのは独占企業でも権力でもなく顧客だ」(アリババ創業者の馬雲会長)と反発。投資家からは「そもそも銀行は金利規制に守られ、もうけすぎ」との批判も漏れるが、銀行による包囲網でネット金融が急速にしぼむ可能性もある。

情報源:ロイター、毎日新聞