2015/09/01

進むプライベートバンキングのネット化

興業銀行とボストンコンサルティンググループ(BCG)はこのほど、中国のプライベートバンキング事業の全面的な発展報告書「中国プライベートバンキング2015年 千の帆が競うように海を渡る、風に乗って進もう」を共同で発表した。

同報告書によると、2013年以降、「ネット金融」が業界全体のキーワードになり、その熱はいまだに冷めていないという。BCGの何大勇董事総経理は、「高資産層を対象としたプライベートバンキング事業はこの変革と無関係ではない。だが国内外の産業の発展状況をマクロとミクロの視野で眺めると、私たちが目にするのは、中国のプライベートバンキング産業はネット時代の流れに乗った必然的で必須の選択肢だといことだ。インターネットによる業界の洗礼はまず技術面で行われ、ますます広がるデジタル化の応用という面に現れた。だが産業全体の注目により値するのは、ネットがプライベートバンキングの事業モデルを後押しして深いレベルの変革を進める巨大なパワーになるということだ」と述べた。

実際、商業銀行が全体として中国金融産業に占める主導的な地位に比べ、2007年に生まれたばかりのプライベートバンキング事業の高資産層の間での浸透にはまだ限界がある。BCGの分析では、中国の主要プライベートバンキング事業の高資産層での浸透率は8%前後にとどまる。伝統的な事業モデルの下で、中国プライベートバンキングが急速にスケールメリットを構築することは難しい。何董事総経理は、「多くの商業銀行のプライベートバンキングの顧客マネジメントは維持顧客の数が多すぎる、販売期間が行政事務に占拠されるなどの苦境に直面する。ネットの力を借りて産業の痛いところを直すことが、産業全体の命題の一つだといえる」と指摘する。

同報告書によると、プライベートバンキングの顧客マネジメントチームのサービスの量と質は、今なお高資産層の要求の中核だ。富裕層の54%がプライベートバンキングの顧客マネジメントの質と専門的な能力が資産管理機関を選ぶ際に真っ先に考えることと答え、プライベートバンキング利用者の65%が今後も顧客マネジメントを最も重要な接触点ととらえて選択を行うとしている。

だがこうした変わらない点だけでなく、ひそかに変化も生じている。調査研究によると、ネットの大波が中国を席巻する現在の状況にあって、高資産層がデジタル時代に徐々に足を踏み入れている。約80%がデジタル化された金融消費・サービスを利用する。利用していない人のうち、35%が試してみたいという。利用したことのあるデジタル化商品・サービスをみると、ネットバンキングの主要サービス対象は「負け組み」の印象とは異なり、高資産層の36%がネット資産運用商品を購入したことがあり、P2Pやクラウドファンディングといったロングテールの顧客サービスをうたう電子化された商品を購入した人も10%を超えた。

またデジタル化サービスが産業バリューチェーンの各段階に浸透し、「製品の組み合わせを理解する状況」から「取引を行う段階」に進み、中でも「オーダーメード投資アドバイス」と「オンライン取引」が最も力の入ったデジタル化サービスで、それぞれ40%を超える顧客が高い期待を寄せている。

プライベートバンキング利用者のネット化の旅は、一歩目を踏み出した後、止まることもなければ戻ることもなく進んでいく。

情報源:人民網