2016/02/07

人民元決済網、三菱UFJ・みずほ参加

中国が導入を進める国際的な人民元決済システムに今夏にも邦銀が参加する見通しだ。日中関係の融和をにらみ、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行が自行と中国側の決済システムをつなぐ検討に入った。中国経済は減速傾向だが6%台の成長が続いており人民元建ての貿易決済は今後も拡大する公算が大きい。邦銀は決済の効率性を高め、グローバル企業の取引を取り込みたい考えだ。

中国の決済システムは「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)」で、中国人民銀行が2015年10月に運用を始めた。システム稼働時には米シティやHSBCなど計19行が参加したが、邦銀は参加を認められていなかった。

三菱東京UFJ銀とみずほ銀は中国当局の承認を得てCIPSに参加する。これまで手作業だった人民元の決済が自動処理になり、手間やコストを減らせる。両行はCIPSへの参加で先行し、顧客向けのサービスを高める。

人民元決済の重要性は年々強まっている。金融機関の通信インフラを担うSWIFT(国際銀行間通信協会)によると、人民元は15年8月に国際的な資金決済に使われる通貨別のシェアで円を抜いた。中国企業との貿易や金融取引で人民元建ての支払いが増えている。

昨年後半からは人民元の為替レートが乱高下を繰り返しており、機関投資家や企業にとって人民元の保有リスクが高まっている。新システムでの取引が邦銀にまで広がれば人民元の国際化を進めたい中国当局の思惑にも合致する。

国際通貨基金(IMF)は今年10月から通貨危機に備えて加盟国に配るSDR(特別引き出し権)に人民元を加える。人民元建ての企業向け投融資や資金決済が増える見通しで、邦銀は取引の効率化に向けた対応を急いでいる。

情報源:日本経済新聞