2016/04/25

LINE+Facebook=微信(WeChat)? 中国人の微信中毒ぶり

微信は騰訊(テンセント)社が提供している。同社は1998年、深センで創業した。わずか6年後の2004年には香港市場に株式上場を果たすなど、ネットインフラ企業として急成長を遂げた。2015年の実績は、売上1028億6300万元、前年比△30%、従業員は2.5万人である。

実際にどのように使われているのだろうか。20代の女性はやはり憚られるため、生活感あふれる40代女性にヒアリングすることにした。

某専業主婦に聞いてみた。とは言っても専業主婦とは仮の姿であり、元は中小企業の経営者だ。市況が思わしくなく、運営していた工場を決断よく閉鎖した。今は事務所のみ保持しながら、充電中の身である。当然普通の専業主婦とは一味も二味も違う、幅広い人脈を持つ。

先日、彼女と会食したとき、「3日前、微信で送った写真を見ましたか?」と聞いたところ、「分からない。探してみる」と言う。

あまりにもたくさんのメッセージが舞い込み、見逃してしまうらしい。実際に3日前までチェックするのに10分以上もかかっていた。

ほとんどを占めるのは女友達からの商品紹介である。婦人服、靴、鞄、ネックレス宝石など大量にアップされていた。有閑マダムがヒマに任せて代理販売をしている、または金欠に陥って自分の持ち物を売りさばきに出ている、のいずれかだろう。

どちらにしても金があると見られている元経営者は、格好のターゲットだ。あまりに多すぎて通常のやりとりに差し支えが出ている。こうなると人脈の広いのも考えものだ。

もう一つは微信の威力について紹介する。

一昨年、上海にオープンした某日系スーパーの話である。新規開店から3週目の週末、急にお客が殺到し前週末の3倍を売上げた。中でも惣菜売場は一品残らず売り切れた。これは「この店の惣菜は美味しい。日本人の待ち望んでいた味だ。」との微信情報が飛び交ったためである。

この話題は瞬く間に日本人の奥さん連の間を席巻した。中国人にも伝わったもようで、惣菜売場は国籍を問わない行列に攻囲された。微信の情報は、企業の将来をも左右しかねない。

また中国はネット規制が厳しくVPNを構築しないと、ツイッターなど他のネットツールは使えない。そこで中国駐在日本人の間では、日本側のスマホに微信をダウンロードしてもらい、それによってやりとりするケースが増加している。これなら専門家に相談する必要もなく、手っ取り早い。こうして知らないうちに日本の利用者も増えている。

次の主戦場は決済である。“銀聯カード”は、爆買い中国人とセットで、すっかりお馴染みとなった。中国の経済発展を側面から支えた、現在最大の決済ツールである。

支払には6桁の暗唱ナンバーとサインが必要だ。それに対して、急速に決済シェア高めて来たのが“支付宝(アリペイ)”だ。ネット通販のお財布機能から始まり、ここ1〜2年で通常の決済に急速に進出してきた。

これならスマホをかざすだけで済む。さらにそれを猛追しているのが、微信の提供する“微信支付(WeChat Pay)”である。春節休暇のネット紅包(お年玉)では昨年、支付宝VS微信支付、の熱い戦いが話題となった。

銀聯カードも、暗唱入力こそ必要だが、サインの代わりにスマホをかざすだけでよい、新カードの宣伝を開始した。この3者の戦いは今年の大注目である。

日本でもJ・フロントリテイリング <3086> が“微信支付”を、ローソン <2651> が“支付宝”を実験店舗で受け入れるなどの報道が時々出ている。

今後こうしたニュースの頻度は増え、やがてニュースにならなくなるだろう。今後の展開については“微信支付”が有利と予想しておく。支付宝はどうしてもネット通販のイメージが強いこと、微信は本当に「生活の方式」となっていて、閲覧頻度が全く違うことがその理由である。

情報源:ZUU