2016/05/24

激戦の中国モバイル決済、アリババ追う武器

世界最大のモバイル決済市場で、激しい戦いが繰り広げられている。

中国の消費者が数年前にモバイル決済を利用し始めて以来、電子商取引大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)は、関連会社が運営する電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」のシステムを通じてこの巨大な成長市場を握ってきた。だが今、中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセントホールディングス)がチャットアプリ「微信(WeChat)」人気を活用してシェアを拡大しているほか、米アップルや韓国のサムスン電子といった大手外国企業も自社システムをひっさげて参入している。

競争が特に激しい理由は、中国ではクレジットカード利用が限られており、数億もの個人や企業がスマートフォン経由での決済を利用しているためだ。調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、中国の昨年のモバイル取引が2倍以上の2350億ドルとなり、米国(42%増の2310億ドル)を上回った。

WeChatの月間アクティブユーザーが7億6200万人を超えているテンセントは、値引きや特徴ある機能に多額を投じているほか、オンデマンドサービスの提供を増やすために提携を進めている。

狙いは、数億人のユーザーを持つアリペイからシェアを奪うことだ。最近では、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)で支払いをする時にWeChatを使うと割引クーポンを得られるサービスも開始した。

アイリサーチによると、2015年のモバイル決済市場におけるテンセントのシェアは20%と、14年の11%から2倍近くに拡大した。一方、アリペイの15年のシェアは68%で、14年の82%から低下した。テンセントは15年の月間アクティブユーザーが14年の7倍近くだったとしているが、実数は示さなかった。アリペイのアクティブユーザーは4億5000万人を超えている。

こうした伸びにもかかわらず、テンセントの決済事業は利益を生んでいない。一方、アリババ傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)は、取材に対し、アリペイが黒字かどうかを明らかにしなかった。

テンセントの販売・マーケティング費用は1-3月期(第1四半期)に53%増加。決済サービスの費用増加が一因だった。

モバイル決済戦争では、アリババ、テンセントともにより大きな構想を持っている。両社は決済プラットフォームのおかげでより多くの取引を集められるようになり、それもあって富裕層の資産管理から消費者ローンにいたる金融サービスの調整が可能になっている。両社の金融関連会社は、それぞれ融資のほかマネーマーケットファンド(MMF)などの投資商品を提供している。

テンセントは3月、決済サービス「微信支付(WeChat Pay)」から銀行口座に送金するユーザーに0.1%の手数料を課し始めた。ユーザーの伸びには響いていないとしている。テンセントが抱える課題の1つに、WeChatが広く普及しているにもかかわらず、一部ユーザーから買い物などの商業活動用プラットフォームとして見られていないことがある。

情報源:WSJ

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