2016/06/18

中国決済市場、銀聯の一人勝ちに終止符へ

中国銀行カード決済市場の開放はついに実質的な一歩を踏み出す段階に入った。中国人民銀行がこのほど「銀行カード決済機関管理規定」を発表したことにより、国内外の有名決済機関が中国の決済市場に進出できるようになり、銀聯の「一人勝ち状態」は終止符を打つことになった。市場関係者によると、これから新旧の決済機関がそろって舞台に上がる「百カード繚乱」の時代が訪れ、企業と消費者はより多くの選択肢が与えられ、価格やサービスなど各方面でより多くの恩恵と便宜を享受できるようになるという。新華社が伝えた。

同規定は、海外の銀行カード決済機関は法律に基づいて中国国内に銀行カード決済機関の設立を申請できると明記する。外資系機関も国内銀行カード決済機関の合併買収(M&A)を通じて中国銀行カード決済市場への進出が可能だが、そのためには規定に基づいて関連のプロセスを履行しなければならない。

銀行クレジットカード業界の関係者は、「条件を満たした国内外の企業はどこも銀行カード決済事業の許可証を申請できるようになり、これから中国の人民元建てカードは銀聯ブランドだけではなくなる。多くの決済機関と協力して、自ら選択して銀行と取引できるようになる。これまで『一人勝ち状態』だった銀聯にとっては打撃だ」と話す。

銀聯の時文朝総裁も、「ビザやマスターが中国に自前の中継決済ネットワークを構築するようになれば、銀聯は売り上げの減少を免れない」と話す。

データをみると、2015年の銀聯カードの銀行間取引総額は53兆9千億元(1元は約16.1円)に上り、前年比31.2%増加した。これほど大きな市場を前にして、国際大手のビザやマスターはもとより、国内の第三者決済機関もかねてよりパイの分け前にあずかりたいと考えていた。

実際、ビザとマスターは20数年前に中国市場に相次いで進出したが、政策による制限があったため、「迂回路を取って」銀聯と共同でクレジットカードを発行することしか選択できなかった。現在、多くの人が保有する「ダブルネームクレジットカード」は、1枚のカードに銀聯とビザ、または銀聯とマスターのつのブランドが併存するものだ。

ダブルネームカードは国内で使用し人民元建てで決済する時には銀聯の決済ルートを利用し、海外で使用し外貨建てで決済する時にはビザやマスターの決済ルートを利用する。だが決済市場の開放にともない、ダブルネームカードは今後、「絶版」になる可能性がある。

中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、「銀行カード決済市場が開放されるようになると、決済機関によってカード利用、中継、現金引き出しなどの手数料が変わるようになり、こうした差異をめぐる競争が消費者に利益をもたらすことになる。どこのサービスがいいか、手数料が安いか、セキュリティがしっかりしているかをみて、企業と消費者は決済機関を選択できるようになる」と話す。

銀聯は現在、国内唯一の銀行カード決済機関であり、取引範囲は消費の決済、日常的な料金の支払い、振替や送金、ATMでの現金引き出しなど多岐にわたり、銀行カードによる目に見えない決済は人々の日常生活と実に深く結びついている。

だが海外のカード機関も人民元建て決済を行う資格を得られるようになれば、カード保有者は今後、海外に行かなくとも、国内のPOS端末でビザやマスターを利用できるようになる。「支付宝」(アリペイ)カードなどが登場する可能性もあり、手数料やサービスの内容で選ばれるかどうかが決まる。

金融情報サイト・融360の劉銀平アナリスト(銀行業)は、「市場が開放されると、各カード機関がこぞって同じ舞台に立つようになり、豊富な優待をうち出して、自社の銀行カードを作るよう促すようになることは確実だ。カードの利用に対してより多くのより大きな優遇をうち出す可能性もある。人民元建て決済市場の開放により、銀行カード決済市場は徐々に競争が盛んになり、カードを持つ人にとってみれば、選択肢が増えるだけでなく、享受できる恩恵がより多くなることを意味する」と指摘する。

業界関係者は、「銀聯はカード保有者を増やして銀聯カードを利用してもらうようにするため、商店と協力して『カード利用による割引』などの優遇キャンペーンをより多くうち出し、キャッシュバックなどで利用者を引きつけようとするだろう」と分析する。

同関係者によれば、「さらに今後、カード機関はカード利用の手数料を調整して銀行や商店に自社の決済ルートの使用を促すようになると予想される」という。

同関係者はさらに、「銀行カード決済市場のドアが開かれたとはいえ、市場での戦いはたやすいものではない。短期的には市場の局面がひっくり返るような変化は起こりえない。新規参入者には金融の基準、情報のセキュリティ、ミスや事故の処理、トラブル予防システムなど各方面で、超えなければならない『関所』がまだたくさんある」とも指摘する。

また基準が異なるため、国内にあるPOS端末はバージョンアップと改良を経なければビザとマスターが使えない。そのためのコストは膨大で、相当な時間がかかるとみられる。

情報源:人民網

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