2016/06/20

中国Fintech産業、銀行を脅かすサービスに

フィンテック(Fintech)と呼ばれるIT技術を駆使した新たな金融サービスが、次々と生まれている。指紋だけで支払いが出来る「手ぶら決済」、人工知能による資産運用「ロボ・アドバイザー」など、金融をより便利かつ身近なものに変えようという技術が、世界中で急速に発展を遂げている。

中国では、IT企業大手であるテンセント・ホールディングス(騰訊控股)や、電子商取引(EC)大手であるアリババグループ(阿里巴巴集団)が、既存の銀行の牙城を崩さんとする勢いだ。

中国におけるモバイル決済システムの導入は、アメリカより進んでいると言われている。今年 3月にアメリカの連邦準備制度(Federal Reserve System=FRS)が公開した世論調査によると、アメリカのスマートフォン利用者のうち、12ヶ月以内にスマートフォン機器を通じて決済をおこなった比率は4分の1にとどまった。一方、アリババグループが展開する電子決済サービス「アリペイ(支付宝)」の利用者は、月間4億5000万人にのぼるという。

また、テンセント社においても、2014年には5億4900万人ものユーザーが送金サービスを利用し、従来の銀行を抜いて顧客数1位を占めた。なお、中国工商銀行(ICBC)4億6500万人、中国農業銀行4億5600万人、中国建設銀行3億1400万人と、その後に続いた。

テンセントは、メッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」を利用したオンライン金融サービスが飛躍的な成長を遂げ、なかでも春節(旧正月)に 「紅包(ホンバオ)」と呼ばれるお年玉をモバイル上で送り合うサービスが爆発的人気を博している。今年の春節には、7億6000万人を超えるユーザーの送受信件数が320億件を記録。前年の約8倍に急増し過去最多となったという。

テンセントは昨年、オンライン専用バンクを立ち上げた。小口預金と「マイクロローン」と呼ばれる小口融資が可能となり、いまやオンライン決済だけでなく、既存の銀行と変わらない預金や融資サービスまで可能となりつつある。

同バンクでは、1 分以内にアカウントを作れるとのことで、その利便性も強みのひとつとなっている。新規ユーザーが電話番号と住民番号を入力し、携帯電話に付属したカメラで写真を撮るだけで登録完了となる。

中国政府は、経済成長の減速が鮮明になる中で、新たな起爆剤としてフィンテックに期待を示している。が、規制が行き届かないほどの急成長を遂げているため、社会問題も引き起こしているのが実情だ。「やったもの勝ち」という風潮があるなかで、フィンテックを一種のイノベーションと見るか、それともリスクが潜むものとして捉えるか。監督側もすぐ見解を出しにくいのが現状で、意見が分かれている。

情報源:ROBOTEER

0 件のコメント:

コメントを投稿