2016/06/07

WeChat、モバイル決済で日本参入 年内1万店「銀聯」追う

中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)は日本でスマートフォン(スマホ)を使った決済サービスを本格化する。中国で3億人超が利用する決済アプリが使える店舗を2016年中に1万店に増やし、中国からの訪日客の利便性を高める。中国人客の決済ではこれまで「銀聯カード」が主流だったが、スマホ決済の広がりで訪日客消費を後押しすることになりそうだ。

テンセントの決済サービス「微信支付(WeChatPay)」を利用できる店舗を増やす。WeChatは7億6千万人の利用者数を誇る対話アプリで、WeChatPayは中国で30万店以上で利用できる。日本ではこれまで一部店舗が採用していたが、訪日客の口コミ分析をするホットリンクと連携して小売店への導入を本格的に促す。

店舗側はiPadなどのタブレット端末に専用アプリを入れるだけで対応できる。消費者が店頭でウィーチャットペイの「QRコード」を表示すると、端末でそのQRコードを読み取り決済する仕組みだ。訪日客の人民元と日本の店舗の日本円での外貨購入と支払いは中国建設銀行が担う。

訪日外国人の4分の1を占める中国人の消費額は他国・地域からの人たちを圧倒している。観光庁によると、2015年の中国人の消費額は1兆4174億円と全体の4割を占めた。1人当たりでは28万円超と、全国籍・地域の17万6167円を大きく上回る。

WeChatPayの黄麗シニアディレクターは「日本では早期に導入店舗を2万店まで増やす」と語り、中国人向け決済サービスとして日本で先行するクレジットカード型の銀聯カードを追い上げる構え。

WeChatPayは中国では若者を中心にタクシーやコンビニエンスストア、公共料金の支払いなどで幅広く利用されている。テンセントが出資するネット通販2位の京東集団のサイトでも利用でき、ネットと実店舗の両面で使える決済手段として定着しつつある。

テンセントは中国から海外へ旅行や出張に出かける消費者が増えていることに対応、ウィーチャットペイの利用範囲を海外にも広げている。すでにタイやインドネシア、シンガポールにも進出した。日本は買い物を楽しむ旅行客が多く、決済ニーズが他国・地域よりも高いとみている。

情報源:日本経済新聞