2016/10/30

アプリを代替するWeChatの「ミニアプリ」

インターネットの将来を考えた時に中国がいかに時代の先をいっているか、という内容だ。主に WeChat が題材となり、いかにしてユーザがアプリ内にとどまりながらあらゆる機能を利用できるか、ということが描かれている。例えば、1. 飼い犬のコーギーの入浴、2. 友達とシェアする、3. 清掃サービスに支払いをする、4. 友達とチャットする、5. 食べ物を注文する、6. タクシーを呼ぶ、などだ。おわかりいただけただろうか。忘れてはいけないのは、WeChat は元々メッセージアプリだが、アプリ業界が劇的に変化していく中で同社は自身を新しいものへと進化・変形させてきている。多くの人は WeChat をプラットフォームと呼び、中にはオペレーティングシステムと呼ぶ者もいる。

多くの場合、WeChat は「新ホーム画面」のような存在となっている。ユーザが携帯電話のロックを解除するとすぐに立ち上がるのがこの画面だ。意識的にか無意識的にかはわからないが WeChat は(中国国内の)ユーザにとって、自分の時間の大部分を費やすものになっている。ユーザループはシームレスなモメンタムとドーパミンであふれている。これはなかなか太刀打ちできない WeChat 中毒である。

小規模企業やスタートアップは、個別のアプリを構築するよりも、WeChat のような現存の超大手プラットフォーム向けに新しい「ミニアプリ」や「オフィシャルアカウント」を開発するという、自分たちにとって都合の良いビジネスモデルを採用している。アクイジションからコンバージョンまでのユーザループ全体をこのメッセージアプリ内で済ませることができ、結果的には「スーパーアプリ」と「ミニアプリ」の双方が得をする「Win-Win」の状態になる。

新規参入企業はユーザに見つけてもらいやすくなり、また無限のコミュニティを得てすぐに活用することができる。彼らは希望通りのユーザを取り込み利益を得ることができる。また同時に「スーパーアプリ」側もユーザエンゲージメントやリテンションが拡大することや、場合によっては分配収益によって利益を得ることができる。全員が安心でき、プラットフォームは次なる高みへと進むことができる。間違いなく、これが未来だ。

このビジネスモデルを実行するためには二つの要素が必要だ。ユーザとアクティブコミュニティだ。現存するプラットフォーム内でアクティブコミュニティの参加人数が多いということは、「ミニアプリ」が付加価値サービスを提供することでユーザとエンゲージしてコンバージョン率を高める機会が多くあるということだ。プラットフォームの規模はコンバージョンのポテンシャルに直接関連している。ここで成功を定義するのであれば、それはユーザエンゲージメントとコンバージョンの拡大が「スーパーアプリ」と「ミニアプリ」双方にとっての最終目的である。

この方程式が実証されれば、エンゲージメントとコンバージョンに苦しむ大企業がこのビジネスモデルを導入しても納得がいくだろう。Keep や MyFitnessPal、FitTime や BabyTree のようなヘルス系アプリは「ミニアプリ」を自身のプラットフォームに組み込み、パーソナライズされたヘルスサービスを提供することでユーザのコンバージョンを上げることができる。Meitu、Instagram、Prisma、Sketch といったクリエィティブ系アプリが「ミニアプリ」を活用すれば、幅広いフィルターやブラシ、エフェクト、その他の付加サービスを提供してより多くのユーザコンバージョンを飽和状態で収益性の低いプラットフォームで上げることができる。Taobao(淘宝)や JD(京東商城)、Amazon、Tmall(天猫)などの e コマースアプリでも「ミニアプリ」を統合することでレビューサービスや比較モデル、バーチャル商品のテスト、そして試着機能を利用することが可能だ。

可能性に終わりはなく、今やイノベーション競争になっている。「そのためのアプリがある」時代は遠い過去だ。サービスのためにアプリを開発するという従来型の知恵は覆された。モバイルソフト次世代へようこそ。「ミニアプリ」の到来だ。

WeChatミニアプリドキュメント(中国語)
情報源:TechNode