2016/12/19

QRコード決済「アリペイ」の実力

中国本土での導入店舗は200万以上、アクティブユーザーは全部で4.5億人超。2016年6月までに世界中の70カ国及び地域に進出し、中国本土以外では台湾・香港・マカオを含めて8万の店舗に決済サービスを提供――。急伸する中国発のスマートフォン決済サービス「アリペイ(支付宝)」の最近の実績だ。

アリペイは、中国アリババグループのアント・ファイナンシャルが提供する決済サービスだ。ユーザーがスマートフォンアプリを操作して、決済情報を含むQRコードを画面に表示。店舗の決済端末、または決済アプリを入れたタブレットやスマホのカメラなどで読み取って決済する。利用代金は、中国の銀行口座から直接引き落とされる。つまりアリペイは中国人向けの決済サービスだ。

そのアリペイが日本に上陸したのは2015年10月。2016年11月現在、約3000店舗でサービスを提供しているという。利用可能店舗には、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。百貨店は高島屋、近鉄、東急、小田急、東武、大丸。家電販売店だとビックカメラ、ヤマダ電器、エディオン、上新電機。総合免税店ならドン・キホーテ、多慶屋、LAOX、キリン堂、杏林堂。さらにはコンビニエンスストアのセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート。最近はりんくう及び御殿場のアウトレットでも使えるようになった。

「アリペイのキャンペーンに参加中に来店した中国人の客単価は、通常時の3~4倍になることもある」。アリペイ導入企業の1社であるドン・キホーテでインバウンドサポート事務局などを担当する小野沢由宇氏は語る。ドン・キホーテは以前からインバウンド需要に注目しており、中国のクレジットカードであるユニオンペイ(銀聯)を全店導入するなどの取り組みをしてきた。アリペイについては、社内検討や大阪でのアンケート調査などを経て2015年12月に4店舗に導入。2016年10月時点では、銀座本館など訪日客が多い36店舗に導入している。アリペイ導入店舗には、決済用のタブレット端末を配置した。例えば銀座本館の場合は、免税レジなどに決済用タブレットが置いてある。

アリペイの導入に当たっては、決済アプリをインストールしたタブレットの配置で済み、POSの改修などの大がかりな導入作業は発生しなかった。店舗の免税カウンター担当者を中心に操作をレクチャーする研修会を開き、マニュアルを作成して準備をした。「実際の使用において困ったケースは発生していない」(小野沢氏)という。

ドン・キホーテは、ユーザーが使うアリペイの支払いアプリが、店舗のキャンペーン告知にも使える点に着目。キャンペーンに参加してセール情報などを流した。その効果として見えてきたのが、前述した支払い単価の上昇だ。

ファミリーマートは、中国にある約1700店は全店にアリペイを導入済み。2016年9月から浅草雷門や新宿、お台場など都内4店舗に導入。その後沖縄でも導入を始め、11月現在28店舗に展開している。全店導入も検討中だという。同社も、導入店舗ではトラブルなくアリペイを運用できている。「訪日中国人にとっては、母国のファミリーマートで日常的に使えている決済が、旅行先の日本でも使えるようになったという話。操作に対する不安はないはず。一方日本の店舗スタッフは、外国人客が相手の新しい操作となるため丁寧な訓練が必要だろう」(同社)と説明している。

アント・ファイナンシャルは、オリックス、オリエントコーポレーション、セブンカード、日本ユニシス、リクルートなどのパートナーと協業し、アリペイの日本での展開を進めている。

例えばオリエントコーポレーションは、クレジットカードブランドのアクアイアラー(加盟店と契約している加盟店契約会社)であり、オリコカードのイシュアー(クレジットカード発行会社)でもある。そこで「クレジットカードの分野で多くの加盟店と付き合いがある実績を生かし、アリペイ加盟店を開拓中だ」(カード推進グループ カード営業部の石川和也課長代理)と話す。決済後にレシートを出したいと考える店舗もあることから、アリペイ決済専用端末も用意。また「オリコアリペイデスク」というコールセンターを用意し、加盟店のフォローやプロモーションなど、営業のサポートを担当している。

日本ユニシスも、11月に開催した2016年度上期決算発表会で、アリペイの決済システムを展開していることを紹介。ヤマダ電機がまず採用し、大手百貨店や国際空港など、幅広い業種に提供を拡大中だと説明した。

日本のスマートフォン決済事業者との提携も始まっている。AOKIやLoftでの採用実績があるスマートフォン決済サービス「Origami Pay」を展開するOrigamiは、11月21日にアリペイとの業務提携を発表。11月21日から、Origami Pay導入店舗で随時、アリペイでの支払いが可能になっている。

情報源:ITpro

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