2017/04/10

中国、政府が推進するキャッシュレス社会

世界では、現金を用いない電子決済がインターネット時代における技術による生活の変化の1つの流れになっており、「インターネット+」の1つのモデルにもなっている。とはいえキャッシュレス社会は現実のものになりうるだろうか。

専門家の予測によると、今後10年間で仕事の約50%が人工知能(AI)と情報技術(IT)に取って代わられることになり、中でも金融産業が真っ先に打撃を受けるという。というのも人工知能と情報技術は簡便かつ迅速で、労働力の大幅な削減を可能にするからだ。労働力の削減という点だけでも、キャッシュレス社会の実現の大きなメリットといえる。

ユーザーはモバイルアプリにてキャッシュレスで日常生活におけるあらゆる消費や取引を完了させられるようになった。人々に便宜を提供すると同時に、金融業の労働力を削減することになる。中国銀行業協会がまとめた最新の統計によると、2016年に中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行は窓口業務担当者約6万人を削減したほか、過去4年間に大中規模の銀行33行で削減された行員数は32万人を超え、全国の銀行業の行員全体の約10分の1に達した。削減された行員の大部分は、従来の銀行では当たり前に存在した窓口業務担当者だった。

現在、中国人のキャッシュレス決済は主に「支付宝」(Alipay)と「微信」(WeChat)の微信支付を通じて行われており、ネットユーザーの95%がこの2つの決済方法を選択する。支付宝の実名登録ユーザーは4億5千万人以上おり、微信でユーザーは6億人に達する。

インターネット技術を基礎とした電子金融取引・流通を採用すると、当然のことながら人々の生活にたくさんのメリットや便宜を提供することになる。労働力の削減以外にも、多くの面でメリットや便宜がある。

第一に、キャッシュレス社会は社会資源を節約し、コストを引き下げる。世界でニセ札防止技術が最も進んだ通貨はスイスフランで、世界の先進的なニセ札防止技術の集大成といえ、技術のウェイトが高く、コストもかかる。試算によると、1千スイスフラン(1スイスフランは約110.0円)紙幣の造幣コストは3.4元(1元は約16.0円)になる。中国は人民元紙幣の造幣コストを公表していないが、新しい100元札のコストは1元前後になるとみられる。

キャッシュレス社会では疾病の広がりを抑えることができる。また現金のない社会であれば現金を強奪しようとする不法な輩が手出しできなくなり、関連の犯罪が消滅することになる。ニセ札で人をだます行為も消滅する。

現在、デンマークがキャッシュレス社会への道で世界の先頭を走っている。早くも2012年に取引の84.2%が銀行カードを通じて行われるようになった。デンマーク政府が出した通達によると、16年1月より、衣料品店、レストラン、ガソリンスタンドなどの商店は現金の受け入れを拒否してもよくなった。

電位決済はすべての人にとって便利で迅速とは限らない。たとえばネットワークが通じていない地域、ネットワークを利用しない高齢者などには便利でも迅速でもない。キャッシュレス社会を基本的に実現したデンマークでも、大きな問題が存在する。

デンマークの農村地域のリタイアした高齢者の多くは銀行カードを使用せず、電子決済はもちろん使えず、政府がキャッシュレス社会建設の歩みをゆっくりにすることを望んでいる。キャッシュレス社会では高齢者が社会システムから疎外された感覚に陥ることもある。

また電子決済は現金の紛失や強盗に遭うといった安全の問題を解決すると同時に、別の安全問題も引き起こす。電子決済と流通の安全はしばしば2つの課題に遭遇する。1つめの問題は、人為的ミスと悪意による詐欺行為、ハッカーの攻撃と技術的な詐欺行為は電子金融の流通と決済に多大な損失をもたらし、数えきれない電子詐欺事件を引き起こしている。軽視できないことに、デンマークでは現金強奪事件は確かに減ったが、一方でクレジットカードのスキミングや詐欺などの犯罪が増加している。

電子金融が直面するもう1つの問題は、システムが崩壊すれば、金融の流通と決済ができなくなることだ。災害が発生して、光ファイバーと末端の設備が壊れれば、電子決済はマヒ状態に陥り、正常な社会生活もマヒする。同じく、ハッカーの攻撃もネットワークをマヒさせ、消費と決済をできなくする。

情報源:北京日報

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