2017/06/27

Alipayが事業説明、中国人以外の送客で抱負

スマートフォン向け決済サービス「アリペイ(ALIPAY)」を展開するアント フィナンシャル ジャパン(中国アント フィナンシャル サービス グループの日本法人)は2017年6月23日、都内で説明会を開催し、事業展開や事例などを紹介した。アリペイはQRコードを使ったスマートフォン向け決済サービス。日本では訪日中国人向けに提供されており、導入店舗は現在までに2万5000店に広がっている。

アント フィナンシャル ジャパン代表取締役社長の岡玄樹氏が、サービスやグローバルでの事業展開などを紹介した。同氏はアリペイを、決済を入口として金融サービスとライフスタイル関連サービスを結合したスーパーアプリであると説明。「中国人は日本で(アリペイで)決済したあと、スマホの画面を見ている。QRを推奨している一番の理由はユーザーとの対話が可能な点にある」(岡氏)。“いま購入したものを無料にする”、”キャッシュバックする”などを、確率をコントロールしながら表示できる点が、タッチ·アンド·ゴーのNFCなどとの差別化要因だという。

アリペイは大型連休や季節イベントに合わせて1年間の半分がキャンペーン期間となっており、桜祭り(花見)やゴールデンウィークなど日本特有のキャンペーンもある。また店舗などへの送客を実現する「ディスカバー」と呼ぶプラットフォーム(マーケティングツール)の日本に関するページの月間訪問者数は、100万人に達するという。

海外展開に関しては現在、韓国、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、インドでも事業を展開している。香港以外では、現地の人々が使っている電子マネーやウォレットのバックエンドを担当するパートナーになっている。「“顔”となっているのは現地ブランドだが、バックエンドは我々のものなのでプラットフォームは一緒。いまアリペイで中国人観光客を日本に送客しているように、おいおいいま挙げた国の観光客も日本の加盟店に届けたいと考えている」(岡氏)。東京五輪が開催される2020年には、さらに多くの国からの送客を想定しているという。

カンファレンス終了後、囲み取材に応じた岡氏は、日本人向けの事業展開について質問を受け、アリペイというブランドやアイデンティティを持ってきても利用者側に心理的なハードルがあるのではないかと指摘。使っているのは日本のサービスだと思ってもらうことが重要だとして、海外展開している国々のように、日本のサービスが顔となり、そのバックエンドをサポートすることになるのではないかとした。「どの企業と運命を共にすれば勝つ可能性があるかを検討している」(岡氏)。

カンファレンスの後半は、アリペイを導入した日本企業の担当者を招き、パネルディスカッションを開催した。パネルディスカッションには、成田国際空港 営業部門 リテール営業部 部長の神崎 俊明氏、ドン·キホーテ 経営サポート本部 営業支援室 インバウンドサポート 責任者の小野沢 由宇氏、ローソン インバウンド推進部 シニアマネージャーの佐藤 数馬氏が登壇した。

成田空港では導入決定から3カ月程度で9割の店舗が導入した。その間にアント フィナンシャルが始めた「グローバル空港プロジェクト」に参加し、KOL(キー·オピニオン·リーダー)を招聘し空港の魅力を動画でライブ配信するといった取り組みを展開した。瞬間最大視聴者は11万人、数時間後には126万人が視聴したという。アリペイ決済による取扱高は、以前に某クレジットカードを導入したときの10~20倍のスピードで伸びているという。こうした動きを神崎氏は「驚きが大きい」と表現した。

ローソンでは、既に47都道府県でアリペイの利用実績があり、その広がりに驚いたという。同社はアリペイで何を購入しているかの分析を進めており、「今一番多いのは焼き鳥です」(佐藤氏)。また、小銭を使わず買い物ができる点は、店舗滞在時間が短い業種にとって有り難いという。来月からは、日中のローソン店舗でクーポンを使った相互の送客について取り組む。またアリペイにあるポイントプログラムのようなものを使った店舗再訪を促進したり、利用者にインセンティブを渡せるようなキャンペーンを実施したりする取り組みなどを通じ、利用者の反響を見ていきたいという。

2015年12月に導入したドン·キホーテは、アリペイは中国人の認知度が高く生活に根付いていることから、親和性があったとする。同社にとって大きかったのはプロモーション効果。様々なキャンペーンを企画し、その中には通常の中国人の決済額の40%増という結果を残したキャンペーンもあったという。これらを通じて「ドン·キホーテの品ぞろえを、より深く楽しんでもらえるきっかけの一つになったのではないか」(小野沢氏)。同社の店舗は深夜営業だが、インバウンドの利用客が多いのは20~24時の時間帯だという。

情報源:ITPro

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