2017/06/18

中国シェアリング自転車が上陸、スマホで解錠・決済

中国のシェアリングバイクサービス大手、摩拝単車(モバイク)が日本に進出する。7月中に一部地域でサービスを始め、年内にも主要10都市程度に広げる。スマートフォンで近くの自転車を探し、料金もスマホで決済する。同社は1年強で500万台を普及させたが、中国ではこうしたスマホを使うシェアサービスが続々と誕生。14億人の巨大市場で成功した中国勢が、この分野で出遅れた日本に「上陸」する例が増えそうだ。

モバイクはこのほど日本法人を設立。スマホの専用アプリを使い、独自開発した自転車をシェアできるサービスを7月中に始める。自転車にGPSを搭載。利用者はスマホで最寄りの自転車を探し、QRコードを読み取ると数秒で解錠され乗ることができる。利用後はスマホで利用料金が自動決済される。詳細は今後詰めるが、当面は30分100円以下で試験提供するとみられる。

交通渋滞の緩和や排ガス低減、住民の健康増進を期待しシンガポールや英国が導入を決めており、同社の海外展開は3カ国目となる。日本では放置自転車の増加を防ぎたい地方自治体と協力する形でサービス提供する。既に複数の自治体と最終協議中で、年内に東京都や関西圏など主要10都市程度への展開を目指す。

モバイクは2016年に上海でサービスを開始したベンチャー企業だが、既に中国全土で500万台を展開する。中国の特に都市部では、ライドシェア(相乗り)の滴滴出行や民泊アプリの途家など、スマホを使ったシェアサービスが爆発的に広がり、人々の社会生活を変えるような事例が目立つ。活力の源泉は少額のお金のやり取りを可能にするスマホを使った電子決済サービスの普及と、ベンチャー企業に集まる豊富な資金力だ。

ネット大手のアリババ集団が手掛ける「支付宝(Alipay)」や、騰訊控股(テンセント)の「微信支付(WeChat Pay)」といった電子決済サービスは数億人が使う身近な「生活インフラ」として定着。中国の調査会社によると、スマホなど移動端末を使った決済市場は16年に約200兆円規模に達した。

スマホ決済は、ベンチャー企業にとって料金徴収する上で重要な基盤となっている。モバイクも中国での利用料金は30分1元(約16円)と少額だが、1日2千万件分に達する利用料をスマホ決済を通じて回収している。

資金力の面では、モバイクは16日、テンセントなどの企業集団から6億ドル超(約670億円)を調達すると発表した。中国のベンチャー投資額は、16年は日本の20倍超の3兆円規模に達したとされる。豊富な資金源が新たなサービスの開発、普及を後押ししている。

中国で新たなシェアサービスが普及しやすい背景には、関連する規制が未整備なこともある。モバイクや同業のofoも含め乗り捨て可能なシェア自転車が急増した結果、かえって放置自転車が交通を妨げる問題が起き、各地方政府が慌てて規制を強化した経緯もある。

モバイクは日本で放置自転車の増加を防ぐため、自治体のほか駐輪場を持つコンビニエンスストアやレストランなどと協力。駐輪場をあらかじめ決めるなどの対策を取る見通し。GPSを使い全車両の位置を把握できるため、違法駐輪した利用者に注意を促す仕組みなども検討する。

近年、アリババのアリペイが日本のコンビニなどで使えるようになっているほか、民泊の途家も日本法人を設立した。ただ、これらは訪日観光に訪れる中国人向けが主体とみられる。モバイクのように日本人の利用を狙った中国発のネット関連サービスは珍しい。

中国企業が海外展開するに当たり、個人情報の保護も課題となりそうだ。中国の消費者の間では、ネット通販での購買履歴やチャットアプリの会話内容といった個人情報が、企業から市民への監視を強める当局に流れているとの懸念も強いからだ。

情報源:日経

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