2017/07/19

インド版WeChatのHikeの野望

調査企業IDCのデータでは、インドではフェイスブック傘下のWhatsAppが約9割のシェアを握っている。テンセントは昨年、インドで設立5年目のメッセージアプリHikeの資金調達を主導し、総額1億7500万ドル(約200億円)の資金を集めた。

Hikeの創業者は29歳のKavin Bharti Mittalだ。IDCによるとHikeはインドにおいてWhatsApp以外で唯一の主要なメッセージアプリのポジションを得ている。

2012年、Mittalはインドで数少ないスマートフォンユーザーの一人となった。その頃のインドではネット接続機能もないノキア製の携帯電話が主流だった。これから急激なスマホの普及期が来る事を確信したMittalはすぐにHikeの開発に取り掛かった。

その後数年でHikeは急激にユーザーを増やし、現在は世界で1億人以上の登録ユーザーを抱えている。Hikeの人気の一因は、様々なスタンプが利用できる点。インドの言語は地域によって異なり、ハンドセットからの入力は難しい。タイピングが不要で直観的なイメージをすぐに送信できるスタンプは若者たちを中心に絶大な支持を集めた。

Hikeはその後もユーザーのニーズに沿った機能を盛り込み、今年6月にはインドのアプリでは初めて、モバイル決済機能を実装。競合のWhatsAppらに差をつけた。今後はインドのお祭りの時期に合わせ、現金ギフトを送れる機能も追加するという。これはWeChatの“デジタルお年玉”のインド版的機能と言える。

テンセントからの資金を得たHikeは、インドのスマホ市場を切り開く使命をテンセントから与えられたとも言える。「インドでWeChatを使うのはインド在住の中国人たちだ。彼らはインドでWeChatを広めようとは思ってないし、WeChatはインド向けのローカライズを全くやってない」とMittalは言う。

ベンチャー投資会社GGV CapitalのHans Tungは「WeChatは成熟した市場向けには素晴らしいプロダクトと言えるが、インド市場はまだそこまでのレベルに達していない」と指摘する。

「中国のミレニアル世代は10年をかけてインターネットを理解したが、インドのモバイルのインターネットはまだ3年程度の歴史しかない。インド市場が成熟期を迎えるまでにはまだ2年ほどの時間が必要だ」

経験豊富なベンチャーキャピタリストとしてTungは、テンセントが今後さらにHikeに資金を注ぐと考えている。「テンセントは細かい点に口出しせず、Hikeの成長を見守っていく。自分たちは十分儲かっているし、彼らには好きなようにやらせておけばいいというのが彼らのスタンスだ」

情報源:Forbes