2017/08/04

中国で決済精算、ビザとマスターが免許申請

米クレジットカード大手が中国でカード決済の自社運営に乗り出す。中国人民銀行がカード決済業務を外資系企業にも開放する新制度の詳細を公開したのを受け、ビザは同業務の免許を申請。マスターカードも最終調整中だと表明した。カード発行などに限られてきたクレジットカード事業を「一気通貫」で柔軟に運営できるようになり、外資系の存在感が高まっていく可能性が出てきた。

中国ではカード利用が急拡大しており、海外勢にとっても成長を左右する重要な市場となっている。カード(デビットカード含む)の発行枚数は2016年で61億枚に達し、過去4年で7割超増と大幅に拡大している。中国市場では銀聯が強く、決済シェアでは世界トップの座にある。

ビザのアルフレッド・ケリーCEOは7月下旬に開いた4~6月期決算のアナリスト向け説明会で「中国人民銀にカード決済機関としての免許取得を申請した」と表明。マスターカードのアジェイパル・バンガCEOも7月末のアナリスト向け説明会で「(カード決済業務参入の)申請書作成で最終段階に入った」「中国市場で提携先になる可能性のある銀行と協議すると同時に、今年3月から中国人民銀と交渉を進めてきた」などと述べた。

日本唯一の国際カードブランドであるJCBは「現時点ではカード決済業務の免許を取得するかどうか決定していない」。三菱UFJニコスは当面、中国市場に参入する予定はないとしている。

外資系企業も中国でのカード発行や、カードを使える加盟店の開拓は認められている。ただ、中国政府は外資系企業の決済業務参入を認めず、中国の銀行が共同で設立した銀聯の決済ネットワークやシステムの利用を義務付けている。この際、利用料がかかり、採算を圧迫する要因になっていた。決済情報が「きちんと管理されているのかどうかはっきりしない」との懸念も業界では根強いという。

米国は10年に「中国は外国のカード会社を不当に排除している」としてWTOに調査を求め、14年には中国政府がカード決済業務を外資系企業に開放すると表明した。米中両政府が今春、貿易不均衡の是正に向けてまとめた「100日計画」には、カード決済業務免許の米金融機関への付与が盛り込まれ、中国人民銀が6月末に新制度のガイドラインを発表した。

ただ、ビザ、マスターとも免許を申請しても、中国人民銀が承認して実際に免許を交付するまでには、時間がかかる可能性がある。マスターのバンガCEOも「次の段階に進むのに12~18カ月かかるとみている」としている。

決済の免許取得後も提携する地元金融機関を探したり、小売店や飲食店などの加盟店を開拓したりする努力は怠れない。決済業務を巡る「銀聯の牙城」を乗り越えたとしても、外資系クレジットカード会社が中国市場を攻略していくには越えるべきハードルが多い。

情報源:日本経済新聞

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