2017/10/22

中国人観光客個人客増、口コミ重視に

経済成長や日本政府の入国査証(ビザ)発給要件の緩和を背景に、年々増えている中国人観光客。クルーズ船客に加え、最近では個人旅行客も増えつつあるが、中国国内で入手できる福岡の情報はまだ少ない。そんな中、中国人になじみの深いスマートフォンのアプリを通じた中国語のサービスが始まっている。

「福岡市の○○ホテルに泊まっています。マリノアシティにいくにはどうしたらいいか教えてください」8月、福岡の旅行会社「ラクトトラベル」代表、蘇要楽図さん(33)のスマホに微信を通じてメッセージが届いた。依頼者は中国・北京在住の30代女性。個人旅行で初めて福岡を訪れたという。

蘇要さんは、すぐに交通機関の乗り換え方法を調べて返信。さらに電話で「同じ乗り場でも行き先の違うバスが多くあります。必ず○○と漢字が書かれているバスに乗ってください」と助言した。女性は無事に目的地に着くことができ、後に買い物した品物の写真などが送られてきたという。

中国・内モンゴル自治区出身の蘇要さんは、大学留学以来福岡に住み、2015年に旅行会社を始めた。WeChatを通じたサービスは今年2月から開始。利用料は午前8時~午後6時、一律千円と安価だ。「地下鉄の何番出口から出たら目的地に近いか」「メニューを訳して」といった依頼など、利用客は1カ月に50人ほどという。

蘇要さんは、飲食店の情報を提供する中国で著名なアプリ「大衆点評」の代理店業務もしており、福岡の飲食店や観光地へのツアー情報も発信。福岡在住の中国人留学生が買い物に付き添ってくれるサービスも提供している。

「本格的な通訳ガイドを頼むと1日数万円かかる。必要な場面だけ、アプリを通じて気軽に利用できるサービスは需要がある」と蘇要さんは言う。背景には、日頃からアプリをフル活用する中国社会の生活ぶりがある。WeChatの利用者は約9億人、大衆点評は約6億人とされる。あらゆる情報の入手や各種支払いにアプリを使う中国人にとって、魅力があるようだ。

アプリには、感想を書き込む欄もある。中国のソーシャルメディアを分析し、消費傾向などを調べる会社「トレンドExpress」(東京)の広報担当者は「中国では大手のメディアが信用されていない。経験者の口コミが重視される」と話す。

福岡市によると、博多港と福岡空港から入国した中国人数は、14年の11万人から、昨年は15万人に急増している。アプリを活用した観光客呼び込みは、さらに拡大しそうだ。

情報源:西日本新聞