2017/11/15

中国テック企業、大小問わず「無人コンビニ」へ続々参入

eコマース企業が無人ストアへの投資や技術開発を強化していることもあり、中国でもイージーゴーのような無人店舗が増えている。「中国で、利便性と効率性を重視する大都市の人口が増加していることも影響している」と、米中で投資を行なっているベンチャーキャピタルGGVキャピタル(GGV Capital)のマネージングパートナーであるハン・トゥン氏は指摘する。同社は、無人ストアのスタートアップ、ビンゴボックス(BingoBox)とシティボックス(CityBox)の2社に投資している。

「東京、大阪、京都などの日本の大都市には、自販機がどこにでもある。無人ストアは自販機の発展型のようなものだ」と、トゥン氏。「中国で無人店舗は、まずオフィスビルや地下鉄の駅から広まっていくだろう。いずれ住宅街でも見かけるようになるかもしれない。今後、無人モデルに関してさまざまな実証実験が行われるだろう」。

たとえば、アリババ(阿里巴巴)は今年本社のある杭州で、初の無人スーパー淘カフェ(Tao Café)をオープンした。買い物客は、イージーゴーと同じように、タオバオ(淘宝)アプリでQRコードをスキャンして入店する。店舗全体に設置されたセンサーやカメラで買物客が選択した商品を検知し、「支払いドア」を通過する際にアリペイ(支付宝:アリババが開発したモバイル決済サービス)で自動的に代金を請求する。

9月には、アリババの競合であるJD(京東)も、北京本社に無人コンビニのモデル店を2店舗オープンさせた。ひとつの店舗は、ドローンやロボットを活用して物流倉庫の無人化などに取り組んでいるJDのイノベーションラボ「JDX」が開発したもので、アリババの淘カフェのように、入店から支払いまでエンドツーエンドの無人サービスを提供する。もう一方は、JDのAIチームが開発し、在庫管理や売り場ディスプレイの最適化するためのソリューションを提供する。両店舗にはいずれも、RFID、顔・画像認識技術が使われている。

「ビッグデータとAIを活用して買い物を効率化させる。買い物客はもうレジに並ぶ必要がなくなる」と、JDの国際コーポレート部門バイスプレジデントのジョッシュ・ガートナー氏は話す。中国ではeコマースが急速に伸びており、その需要に応えるため、JDではより多くの注文を迅速に出荷できるよう、11月には無人の物流倉庫を稼働させる予定だ。同氏によると、今年オープン予定の無人ストア数は特段決めていないという。

Amazonは昨年12月に、無人ストア「Amazon Go」を導入した。まだ一般公開には至っていないが、中国のEC事業者やVCはその動向を注視している。「米国には、中国ほどの人口密度はない。それに、クレジットカード利用がいまだ多い米国と違い、中国ではWeChatペイ(WeChat Pay)やアリペイなどモバイル決済が進んでいる。その規模はアメリカの約11倍もある」と、トゥン氏は話す。

さらに、アリババやJDなどの大手ECだけでなく、ビンゴボックスやF5、テイクゴー(Take Go)、イートボックス(Eat Box)などの中国のスタートアップが続々参入。たとえばChina.comによると、ビンゴボックスは、今年1億元(約17億円)のシリーズAの資金調達を完了しており、今後3年間で無人ストアを中国国内に3000店舗オープンする計画があるそうだ。

無人店舗が、中国の小売業界の未来図であるかは定かではない。商品の陳列や清掃にはまだ人の手が必要だし、また無人店舗に慣れない買い物客に利用方法を教えるスタッフも必要だ。ただ少なくとも、無人ストアに導入されているテクノロジーが在庫や物流管理の効率化に繋がるはずだとトゥン氏は考えている。

「ほとんどの人はレジ店員のいないストアで買い物する習慣はない。まだ通常のコンビニのように店員とのやりとりを求めている」と、イージーゴーで買い物をしたチェン。「それに、生鮮食品の販売は、無人ストアでは大きな課題になると思う」。

情報源:DIJIDay