2020/01/18

中国、インフルエンサー経済のエンジンに

最近、李子柒という名前の女性が、伝統文化と田園の暮らしを動画に編集してインターネットに発信し、中国内外のネットユーザーの注目を集めている。現在、YouTubeには李さんのファンが800万人近くおり、これまでに発表した100本余りの動画の再生回数は500万回を超えた。

李さんの人気と共に火が付いたのは、李さんを代表とするネット時代に特有の媒体「インフルエンサー」(網紅)、それからインフルエンサーにともなって発生した「インフルエンサー経済」だ。

インフルエンサー経済はネット時代に生まれた経済現象で、インターネットの世界の人気者がソーシャルメディアでアクセス数と人気を集め、膨大なファン層に対してマーケティングを行い、ファンの注目度を購買力へと転換し、アクセス数を現金に換えるというビジネスモデルを指す。

衣類の染め、酒の醸造、織物、古式製紙、口紅製造……これらは2019年に大勢のインフルエンサーが経済面で上げていた成果であり、インフルエンサーの社会的認知度もさらに上昇した。

インフルエンサー経済はいったいどれくらい稼いでいるのだろうか。19年にはインフルエンサーの「口紅兄貴」こと李佳奇さんが相当な額を稼ぎ出した。一部の会社の純利益も一人のインフルエンサーに及ばないことがある。

19年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、インフルエンサーのライブ配信が突如としてわき起こり、天猫(Tmall)のダブル11に参加した企業の中には、収入の50%以上がライブ配信を通じて達成し、ライブ配信による成約額は200億元(約3195億円)近くに達した。

現在の業界での実践から考えて、インフルエンサー経済には主に3つの収益源がある。ライブ配信プラットフォームにおけるファンからの還元、ソーシャルメディアにおけるブランドのプロダクトプレイスメント、ECプラットフォームにおけるファンへの商品売り込みだ。どのモデルでも「人気があれば商品もよく売れる」のがインフルエンサー経済が現金化する一般的なルートだ。

インフルエンサーが自身のブランドや商品をすすめる手法が大手広告主の間でますます歓迎されるようになり、インフルエンサーの力を借りて自社のブランドを発信したいと考える広告主の所属する業界が、これまでにもよくみられた化粧品や衣類・服飾品などから自動車、金融などへと広がりをみせている。

中国では、インフルエンサー経済にしっかりした社会的基盤がある。百度がまとめた「『95後』(1995年から1999年生まれ)生活経済調査研究報告」によると、中国の95後人口は約1億人に上る。彼らは幼い頃からインターネットとともに暮らし、大量の情報を発信したり、暮らしの様子を投稿したり、ツッコミを入れたりすることを好む。コンサルティング企業アクセンチュアの研究によれば、中国の95後の消費者の70%以上がソーシャルメディアを通じて商品を直接購入することをより好むという。

インターネット経済が起こり、情報伝達のコストは大幅に低下した。「奇妙だが魅力のある魔性の」パフォーマンスをする、感動的な歌を歌う人が、ネットの後押しを受けて、無名の素人から一躍インフルエンサーになることがある。

新浪微博の王CEOは微博で、「実はここ数年間の本当に成功したインフルエンサーで、大衆的コンテンツを作った人は一人もいない。彼らはまず製品の位置づけをじっくり考え、それからターゲットとなる受け手に正確に狙いを定め、こうした人々に向けて喜ばれるコンテンツを送り出してファンを増やし、それから製品を打ち出すのだ」と評した。

王氏の評はインフルエンサー経済の核心を突いている。インフルエンサーたちの最終的目標はアクセス数を獲得することではなく、アクセス数を現金化することにある。この目的から出発し、まず最初にやらなければならないのは、ターゲットのユーザーの好みに的を絞って自分のイメージを作り、パフォーマンスをプロデュースし、ユーザーの心の中に自分の「居場所」を作ることだ。たとえば化粧品情報を発信するパーソナリティである前出の李さんが売るのは口紅で、ターゲットは若いホワイトカラーの女性だ。そこで李さんは「口紅兄貴」のイメージ作りをし、女性の心理を踏まえて、女性の心を打ち抜く製品おすすめトークを編み出した。

インフルエンサー経済は伝統的消費シーンに破壊的影響を与え、消費者に一層多様化した個性的なショッピング体験をもたらしはした。しかしながら、インフルエンサー経済の本質はやはり実体経済のネットにおける投影なのであり、市場の法則から離れて発展することはできず、整った市場の監督管理も不可欠だ。

Source:人民日報

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