2017/09/12

中国のフィンテック企業、欧州で初の認証取得も

中国では近年、ITと金融サービスを融合させたフィンテックが急激に発展している。今や中国人は現金を持ち歩かなくても、スマートフォンさえ持っていれば、預金や振り込み、決済、投資、保険など、あらゆる金融サービスを享受することが可能となっており、中国社会はキャッシュレス化に邁進している状況だ。

日本でも、大手コンビニやドラッグストアなどで、モバイル決済のアリペイが利用可能になっているように、中国国内で金融サービスを提供するフィンテック企業が国外進出を加速させている。

中国メディアの新浪の7日付報道によれば、中国のフィンテック企業で、越境ペイメントを手がける「PingPong」はこのほど、中国企業として初めて欧州における決済サービス機関(payment institution)の認証を取得した。中国経済が世界への影響力を拡大するなか、越境ペイメントを通じて迅速な送金が可能となると期待されている。

日本銀行金融研究所によると、欧州の決済サービス機関は「決済サービス業者による利用者への情報提供義務のほか、決済サービス業者と利用者との間の多岐にわたる権利義務関係について各種のリテール決済サービスを横断的に規律する包括的な決済法制」だ。中国のPingPongが同認証を取得したということは、中国のフィンテック企業がコンプライアンス面でも評価され、各種規制に対応できる態勢が整っていることを意味する。

ルクセンブルク金融監督委員会(CSSF)の関係者によれば、PingPong以外にも中国のフィンテック企業が欧州進出と決済サービス機関の認証取得に関心を示しており、同関係者も「中国の経験豊富なフィンテック企業が欧州に進出することで、モバイル決済など欧州市場におけるフィテック関連サービスが発展することになる」と期待を示している。中国のフィンテック産業の欧州ひいては世界における存在感は今後高まってくる可能性は高い。

2017/09/11

WeChat Pay、金利のつく「零銭通」機能を追加

Alipay(支付宝)の Yu’e Bao(余額宝)に追いつくべく、WeChat Pay(微信支付)はそのミューチュアルファンド・プラットフォームに新しい機能を追加した。このプロダクトは Lingqiantong(零銭通)と呼ばれ、「金銭管理をスマートにする」という意味を持ち、まだβ版機能でテストのために少数のユーザのみが招待されている。この新機能を使えば、ユーザは送金、hongbao(紅包)の発行、クレジットカード・キャッシングの支払ができるほか、WeChat Pay 上の残高に応じて金利を得ることもできる予定だ。

これらの機能は、数年前から Yu’e Bao ユーザには提供されていたものだ。Yu’e Bao は Alibaba(阿里巴巴)のサードパーティ・モバイルソリューション Alipay 上で2013年中頃に紹介され、今年4月には1,656億米ドルを集める世界最大の市場金利連動型ミューチュアルファンドにまで成長した。その成功には預金者に支払われる日払金利が大きく貢献しており、預金者は Alipay からいつでも資金を引き出すことができる。人々が銀行口座からお金を引き出し、Alipay に入金するようになる中で、このモデルは中国の銀行業界にとって脅威となった。

WeChat Pay は、2014年にリリースした新機能、「資産管理をスムーズにする」という意味を持つ Licaitong(理財通)から Yu’e Bao との競争を始めるようになった。しかし、Yu’e Bao とは異なり、Licaitong は残高に応じて金利が支払われることはなく、このギャップはまもなく、Lingqiantong によって埋められるだろう。

オンライン金融業界には遅番の登場ながら、WeChat Pay の成長は将来有望なものだ。3年前、中国全土のモバイル決済取扱高の80%超は Alipay の手中にあった。今日、そのシェアは54%にまで下落しており、WeChat Pay はそのシェアを40%にまで拡大している。

情報源:Technodechina

2017/08/28

Alipay、シンガポール銀行口座でも利用可能に

中国のアリババグループが提供する非接触型決済サービスのアリペイがこれまで以上にシンガポールの多くの場所で利用できるようになる。現在アリペイは、中国の銀行口座を持つか、中国の銀行が発行したクレジットカードの所持者しか利用できないが、アリペイを運営するアント・フィナンシャルのメルビン・オーイ氏は、シンガポールの銀行の口座開設者も近く利用できるようになると明らかにした。

アントは8月22日、アリペイによる決済が可能なポイントを増やすことに関し、シンガポールの新興企業CCフィナンシャル・サービシズと契約を交わした。決済可能なポイントは現在2万ヵ所で、うち1万7,000ヵ所はコンフォートデルグロとプライム・タクシーのタクシー車両。残りの3,000ヵ所はチャイナタウン、セントーサ、オーチャードなど観光客往来の多い繁華街。

CCフィナンシャルはピープルズ・パーク・コンプレックス、ブギス、ゲイランの小売店さらにはクレメンティなど住宅団地所在地に決済ポイントを開設する。アリペイで決済可能な通貨はSドルを含め18通貨。商店側は取引手数料をCCフィナンシャルに払う。

情報源:AsiaX

2017/08/27

外資系銀行もWeChat Payに対応

スタンダードチャータード銀行はこのほど、「微信支付」(WeChat Pay)に対応するようになったことを発表し、ウリィ銀行、ハナ銀行、東亜銀行、恒生銀行(中国)などに続き、微信支付の決済機能に対応した外資系銀行の仲間入りをした。これと同時に、従来型銀行とネットバンキングという2大陣営間の「混戦模様」がますます激しさを増している。

スタンダードチャーダード銀行のクレジットカード保有者は微信支付の機能にリンクすることになり、ショッピング、オンライン料金支払い、オンライン学習など便利で迅速な各種サービスを利用できる。同行中国法人リテール部門の朱亜明取締役社長は、「中国のモバイル決済の発展は急速で、グローバル金融消費のモデルに絶えず影響を与えている。弊行は騰訊(テンセント)のような進んだ科学技術との協力により、中国の金融分野の革新と活力の恩恵が世界の顧客たちに行き渡るものと期待する」と述べた。

ネットバンキングと中国の従来型銀行との連携関係がますます深まりをみせる。今年6月には、ネット通販大手京東傘下の京東金融が華夏銀行、上海銀行、北京農商銀行、広州銀行と提携してクレジットカード機能の「白条」カードを打ち出した。7月には招商銀行と京東金融との提携カード「小白信用」が登場した。

こうした動きについて、中央財経大学金融学院の郭田勇教授は、「従来型金融機関は金利の市場化とネット金融の打撃を受けて、モデル転換の極めて大きなプレッシャーに直面しており、ネット金融企業と協力することで、それぞれの優位性による相互補完、顧客のニーズへのよりよい対応を実現しようとしている」と分析する。

情報源:北京日報

2017/08/26

ドコモも「QRコード決済」導入

NTTドコモが、QRコードの読み取りで買い物代金を決済するサービスを来年3月末までにローソンなどで始めることが13日、分かった。利用者は、店頭でスマホのアプリに表示したQRコードを読み取ってもらうことなどで代金支払いが完了する。代金は毎月の携帯電話料金と一緒に支払う。国内のQR決済は、中国より普及が遅れているが、携帯電話最大手のドコモの参入で普及に弾みがつきそうだ。

QR決済は、政府が成長戦略で掲げる非現金(キャッシュレス)決済の“起爆剤”として期待され、楽天や無料通信アプリのLINE(ライン)などIT大手が普及に乗り出している。

QRコードの読み取りはスマホや従来のバーコードリーダーでできるため、電子マネー決済用の読み取り機に比べれば導入コストが格段に安い。このため、店舗側の負担が少ない。利用者にとっても基本的には自分のスマホにアプリを入れるだけで使える。

ドコモが計画しているQR決済は、毎月の携帯電話料金と合算して代金を支払う仕組みのため、クレジットカード登録などは不要だ。ドコモの「dポイント」を支払いに充てることもできる。

中国ではQR決済を含むキャッシュレス決済の割合が全体の約6割を占め、露天などの小規模店でも普及が進む。これに対し、現金支払いの割合が世界最高水準の日本では、キャッシュレス決済比率が約2割にとどまる。だが、政府は訪日外国人の利便性向上などを目的に、10年後に約4割まで引き上げる目標を成長戦略に掲げた。

ドコモはQR決済の導入費用負担の少なさを武器に、ベンチャー各社などと提携して対象店舗の拡大を図る。ドコモは従来型携帯電話時代から電子マネー「iD」の普及を進めているが、今後は「iDが浸透していない地方の小規模店舗にもQR決済を普及させたい」(幹部)考えだ。

情報源:産経新聞

2017/08/25

アリババ、マリオットと合弁で提携

世界各国でホテルチェーンを展開しているマリオット・インターナショナルは、中国のEコマース最大手、アリババ・グループ(阿里巴巴集団)と合弁企業を立ち上げると発表した。マリオットは新会社の設立を通して、アリババの旅行サービスプラットフォームを活かし、中国国内および海外で今後さらなる増加が予想される中国人旅行者の獲得を狙う。

両社は合弁会社を通して、「シェラトン」や「リッツ・カールトン」などマリオット傘下の全ホテルをアリババが運営する旅行専用プラットフォーム「フリッギー(Fliggy)」で検索・予約可能にするほか、利用の多い宿泊客に対してインセンティブを提供するロイヤルティープログラムをリンクさせ、増加する中国人旅行客に対するマーケティング活動でも協力する。

マリオット・インターナショナルは、中国人旅行者は今後5年間で7億人に上ると見込んでおり、特に中間所得層の需要拡大に期待をかけている。CEOのアルネ・ソーレンセン氏は「合弁会社を設立することで、旅行サービスプラットフォームややデジタル決済といったアリババの見識と、我が社がもつホスピタリティ産業の専門知識とが連携され、ロイヤリティー・プログラム会員も増えるだろう」とコメントした。

一方、アリババ・グループCEOのダニエル・チャン氏は「我々は非常に大きな顧客基盤、最先端技術を有し、中国人消費者を熟知している。ホスピタリティ業界の一大勢力であるマリオットとタッグを組めば、中国市場にさらに質の良い旅行関連サービスを提供できる」と抱負を述べている。

アリババ・グループとマリオットの提携では世界中のマリオットホテルが支払い手段としてAlipayでの支払いを可能にもするという。

中国では食料雑貨店、レストラン、地下鉄、電気代などあらゆる商品やサービスの支払いに、現金やクレジットカードを利用しない中国の消費者が増えている。昨年、FT Confidential Researchが実施した1,000人の中国都市部消費者調査では、Alipayを最も頻繁に使用している回答者は79.5%で、クレジットカードを選択したのは45.5%、現金を使用したのは79%となっていた。

情報源:Airstars

2017/08/24

Alipay、米「Yelp」と提携

中国のアリババが運営するAlipayとテンセントが運営するWeChat Payの2つは、現代の中国人にとって必須の決済手段となった。調査企業のIpsosとテンセントのデータによると、14%の中国人はもはや現金を持ち歩かなくなった。また、26%の中国人は財布の中に100人民元(16ドル以下)を下回るキャッシュしか持っていない。

iResearchのデータによると、2016年の中国のモバイル決済市場は5.5兆ドル(約600兆円)に達したという。これは米国のモバイル決済市場の1120億ドルの50倍近い規模だ。中国の消費者らはインフラさえ整えば、世界のどこに行ってもモバイルでの決済を行えるのだ。

中国人の海外旅行件数はここ20年にわたり上昇が続き、昨年は1億2200万人が合計で1100億ドル(約12兆円)を海外で支払った。世界中の企業が今、中国人旅行者の需要をつかむため、モバイル決済への対応を進めている。アリペイやWeChatペイに対応するためにはさほどのコストはかからない。旅行者らにQRコードを読み取らせるだけでいいのだ。

アリペイは既にホテルチェーンのマリオットやウーバーとグローバル契約を締結した。アリペイはまた、グルメサイトのYelpとニュヨークやロサンゼルス、ラスベガスやサンフランシスコでパートナーシップを結んでいる。WeChatペイもラスベガスのカジノホテルの「シーザーズ・パレス」と契約を結んだ。

世界の小売店やホテルは中国のモバイル決済への対応で新たな需要をつかむことが可能だ。モバイル決済の導入は次の3つのステップで行える。まずは、アリペイやWeChatペイへ店舗の登録を行うこと。次に中国語版のウェブサイトを立ち上げること。翻訳のコストはかかるが、それに見合う十分な収入を得られる可能性は大きい。

さらに、中国でデジタル広告を出稿すること。もちろんこれにもコストはかかるが、何もやらなければ何も得られない。海外旅行に出かける前の中国人に、あなたの店でモバイル決済が利用可能なことを知らせる必要がある。半年ほどの時間をかけて様子を見れば、目に見える成果が現れるはずだ。

これまで世界の小売店の現場では「現金ですか、クレジットカードですか?」と尋ねるのが当り前だった。しかし、これからは「アリペイにしますか、WeChatペイですか?」と聞くのが普通になる。

情報源:Forbes